松島 智仁|1人美容室の生きる道

美容室のキャンセル料は取るべき?遅刻・無断キャンセルに悩む美容師が見直すべきこと

美容室のキャンセル料は取るべきかについて、松島智仁が遅刻・無断キャンセルに悩む美容師へ向けて解説するアイキャッチ画像。

キャンセル料は取るべき。でも僕は基本的に取りません

美容室のキャンセル料は、取るべきだと思っています。

特に1人美容室や小規模サロンでは、1人のお客様の予約が、その日の売上や1日の流れに大きく影響します。

2時間、3時間の予約枠が当日キャンセルになる。

無断キャンセルで連絡が取れない。

「ちょっと遅れます」と言われたけど、実際には30分遅れてくる。

こういうことが続けば、正直かなり困ります。

だから、お店を守るためにキャンセル料のルールを作ることは大切です。

でも、僕自身は基本的にキャンセル料を取っていません。

矛盾しているように聞こえるかもしれません。

でも、1人美容室を続けてきた中で、僕はキャンセル料だけでは解決できないものを何度も感じてきました。

予約表にぽっかり空いた時間。

その日に消える売上。

後のお客様への影響。

そして、無断キャンセルの時に一番先に来るのは、怒りではなく心配でした。

「来る途中で事故に遭ってないかな」

「体調を崩してないかな」

「何かあったんじゃないかな」

そう考えてしまうんです。

無断キャンセルでつらいのは、売上だけではない

もちろん、当日キャンセルや無断キャンセルは売上に影響します。

たとえば、3万円のメニューが当日キャンセルになれば、その3万円の売上はなくなります。

1人美容室の場合、その時間に別のお客様を入れることも簡単ではありません。

だから、経営的に見てもキャンセルはかなり大きな問題です。

でも、無断キャンセルの場合は、それだけではありません。

連絡がないと、本当に心配になります。

僕自身、過去にお客様のご家族から連絡があり、お客様が亡くなられていたこともありました。

そういう経験があると、無断キャンセルはただの予約トラブルではなくなります。

だから、行けなくなった時は、LINEでも電話でもメールでもいいので、一言だけ連絡がほしい。

キャンセル料がどうこうの前に、まずは無事かどうかを知りたい。

これが、美容師側の本音です。

お客様からすると、キャンセル料を請求されるのが怖くて連絡しにくいこともあるかもしれません。

でも、美容師側からすると、連絡がない方がずっと不安になります。

「ちょっと遅れます」の“ちょっと”が、美容室では大きい

遅刻も、美容室では大きな問題です。

お客様からすると、

「ちょっと遅れます」

という感覚かもしれません。

でも、その“ちょっと”が5分なのか、15分なのか、30分なのかで、美容室側の対応は大きく変わります。

予約が詰まっている美容室では、5分の遅れでも後のお客様に影響することがあります。

1人のお客様の遅刻が、次のお客様の待ち時間につながる。

さらにその次のお客様にも影響する。

こうなると、1人だけの問題ではなくなります。

だから、遅れる場合はできるだけ早めに、

「何分くらい遅れそうです」

と具体的に伝えてもらえると、美容室側はとても助かります。

怒りたいわけではありません。

その日の流れを調整するために、必要な情報なんです。

早く来てくれることも、実は困る場合がある

意外かもしれませんが、美容室では早く来すぎることも困る場合があります。

特に1人美容室では、前のお客様との時間を大切にしていたり、次のお客様のために準備時間を取っていたりします。

30分前に来られると、前のお客様と重なってしまうことがあります。

営業前に来られると、開店準備が終わっていない場合もあります。

お客様は良かれと思って、早めに来てくださっているのかもしれません。

でも、美容室側としては、予約時間通りに来てもらえるのが一番ありがたいこともあります。

早く着いてしまうこともあると思います。

その時は、少し時間を調整してから来店してもらえるだけで、美容室側はかなり助かります。

遅すぎても困る。

早すぎても困る。

結局、美容室の予約は、時間通りに来ていただけることが一番ありがたいんです。

もちろん、お客様にも事情がある

ここで間違えてはいけないのは、遅刻やキャンセルをすべてお客様のせいにしないことです。

お客様にも事情があります。

仕事が長引くこともあります。

子どもが急に熱を出すこともあります。

体調が悪くなることもあります。

交通機関が遅れることもあります。

家族の都合で急に行けなくなることもあります。

だから、すべてのキャンセルや遅刻を悪いこととして扱う必要はありません。

美容師側も、そこは理解しておく必要があります。

ただ、連絡がないことだけは別です。

行けないことよりも、連絡がないことの方が、美容室側には大きな不安と負担が残ります。

そしてもう1つ、美容師側が見直すべきこともあります。

それは、お客様が連絡しやすい関係性を作れているかということです。

「怒られそう」

「気まずい」

「もう行きにくい」

そう思わせてしまう関係性になっていないか。

ここも、美容師側が一度考えるべき部分だと思っています。

キャンセルされにくい美容師は、日頃から信用を積み重ねている

遅刻やキャンセルを減らすために、美容師が見直すべきことがあります。

それは、お客様との信用をどれだけ積み重ねているかです。

お客様の中で、

「この美容師さんに迷惑をかけたくない」

「この予約は大切にしよう」

「行けないなら、ちゃんと連絡しよう」

そう思ってもらえる関係性を作れているか。

ここがとても大切です。

もちろん、キャンセル料のルールは必要です。

でも、ルールだけでキャンセルが減るわけではありません。

日頃から、

寒そうにしていたら声をかける。

前回話したことを覚えている。

髪の変化に気づく。

お客様の生活に合わせて提案する。

小さな違和感や不安に気づく。

こういう小さな積み重ねが、信頼関係になります。

信頼関係が積み重なると、お客様の中で美容室の優先順位が上がります。

「別に行かなくてもいいか」

ではなく、

「ちゃんと行こう」

「行けないなら連絡しよう」

と思ってもらえる関係性になる。

キャンセルされにくい美容室は、キャンセル料だけで作られるのではなく、日々の信用の積み重ねで作られると思っています。

キャンセル料はルール。キャンセルされにくい関係性は信用で作る

美容室の遅刻・キャンセル問題は、簡単ではありません。

キャンセル料を取ることも大切です。

ルールを作ることも必要です。

でも、それだけでは解決しないこともあります。

大切なのは、お客様だけを責めるのではなく、美容師側も信頼関係の作り方を見直すことです。

キャンセル料は、お店を守るためのルールです。

でも、キャンセルされにくい美容室を作るのは、日々の信用です。

遅刻やキャンセルに悩んでいる美容師さんは、まずキャンセル料を取るかどうかだけで考えるのではなく、

お客様にとって、自分の美容室の予約が大切な予定になっているか

ここを見直してみてください。

その積み重ねが、結果的に遅刻や無断キャンセルを減らし、美容師にとってもお客様にとっても気持ちのいい関係につながると思います。

動画でも詳しく話しています

今回の内容は、YouTubeでも詳しく話しています。

キャンセル料は取るべきだと思っているのに、なぜ僕は基本的に取っていないのか。

無断キャンセルがあった時、美容師は本当は何を感じているのか。

そして、遅刻やキャンセルを減らすために、美容師側が何を見直すべきなのか。

文章だけでは伝わりにくい温度感もあると思うので、よかったら動画でも見てみてください。